キュートな空手家・月井隼南は自分に問いかける「スポーツが大事なのか、命が大事なのか」 (3/7ページ)
「自分のルーツを知れば知るほど、私の体にはもうひとつの祖国であるフィリピンの血が流れていることを強く感じました。そこでフィリピン代表として、オリンピックを目指そうと思いました」
私の本職はこんな感じです???#空手#格闘技#戦闘民族 HYzhgD"pic.twitter.com/0ODQHYzhgD
— 月井隼南(空手フィリピン代表) (@junnatsukiiv888) July 30, 2020
月井は生まれながらにして日本とフィリピン国籍を持つ。思い立ったら、行動は早い。2017年、フィリピン代表のセレクションとして行われた大会に出場し、フィリピンのナショナルチーム入りを果たした。
現地入りしてから独学で英語を学び、日常会話程度なら困らないほど上達した。現地のタガログ語も母親から習っていたおかげで、読みや書きは問題ない。「でも、しゃべるのはヘタクソ(苦笑)。タガログ語で聞かれたら、英語で返しています」
■想像以上に過酷な国だったフィリピン
フィリピンに腰を落ち着けた月井の目に真っ先に飛び込んできたのは、想像を遥かに越える貧困だった。
「映画やNetflixで観ていた世界がフィリピンでは普通にある」
いまでは日本でも貧困は社会問題化しているが、フィリピンのそれはレベルが違っていた。月井は、ジープという乗合いバスの例を引き合いに出した。
「運転手の賃金は日本円で1日1000円程度。そこで運転手たちはよく『賃金を上げろ』とストライキを起こす。ジープがそうなったら、タクシーなど他の公共交通も全部止まってしまうので、練習にも行けない」
日本とは異なる治安の悪さも経験した。