実はスゴすぎるアリの社会 「それぞれの持っている能力が最大限引き出されて達成」 (3/5ページ)

新刊JP

人間とアリの関係性を考えるときに、人間の食文化におけるアリの位置づけはすごく興味があるのですが、実はハキリアリは中南米でよく食べられるんですよ。

女王アリが20年ほど生きて卵を産むので、長寿や子孫繁栄の象徴として祝祭的なセレモニーの中で出されたりしますし、メキシコだと高級料理店なんかで女王アリの幼虫が出されたりしますね。

――結構おめでたい存在なんですね。

村上:そうですね。日本のように「ゲテモノ食い」のようなイメージはないです。中南米や東南アジアにはこういう食文化もあるということで、真の教養を身につけておくといいと思って、学生に食べさせています(笑)。

――ハキリアリ研究ではパナマに行くことが多いようですが、アリだけでなく、現地の文化も合わせて研究していらっしゃるんですか?

村上:そうです。特にハキリアリが現地の人たちの文化にどう根付いているのかということはすごく興味があります。

中南米の主食穀物であるトウモロコシは、どうやらハキリアリの行動を人間が観察して見つけた作物なんじゃないかと言われているんです。5000年も前にアリを研究する人がいて、それがトウモロコシの発見につながり、農業の発展をもたらしたというのは現代でも通じる話じゃないかなと思いますね。

■ヒアリを正しく恐れるために

――アリ研究の醍醐味について教えてください。

村上:アリって身近ながら意外と知られていないことが多くて、最近の研究でどんどん新しい実態が明らかになるので、それを人に話すと驚いてくれるのがやりがいを感じる部分ですね(笑)。分かっていないことを解明したところの喜びが大きい生き物です。

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