源頼朝の遺志を受け継ぎ武士の世を実現「鎌倉殿の13人」北条義時の生涯を追う【二】 (2/6ページ)
挙兵は8月17日。頼朝から「大切な話」が……。
さぁ、頼朝に味方すると決まった以上、一刻の猶予も許されません。大急ぎで坂東各地に散らばっている源氏の残党や累代の家来たちに声をかけて回り、兵や武具、兵糧などを掻き集めるために必死で駆けずり回りました。
「戦うからには、万全を期する!」
手始めに目代(もくだい。代官)である山木判官兼隆(やまき ほうがんかねたか)の襲撃を決めた頼朝は、右筆(ゆうひつ。秘書)を務める藤原判官代邦通(ふじわらの ほうがんだいくにみち。通称:藤判官代)を、山木邸へ遊びに行かせます。
「どもども、藤判官代で~す!」
「おぉ、来たか、待ってたぞ!」
ちょうど山木邸では酒宴が開かれていたのでナチュラルに溶け込み、場を盛り上げながら数日間にわたって滞在。家人の隙を狙って屋敷の間取りや人員配置などをすっかりスケッチさせ、これが攻略を大きく助けるキーアイテムとなったのでした。
この藤判官代、元は京都の遊び人で、有職故実(ゆうそくこじつ。古典的な教養)をはじめ絵画や占い、文筆など様々な才能に恵まれていたため話題の引き出しに事欠かず、また人懐っこい性格だったようで、スパイにはうってつけの逸材だったようです。