源頼朝の遺志を受け継ぎ武士の世を実現「鎌倉殿の13人」北条義時の生涯を追う【四】 (3/6ページ)
「南無八幡大菩薩……この矢、いざ受け候(そうら)え!」
信遠の館に到着した軍勢の中から、佐々木次郎経高(じろうつねたか。定綱の弟)の射放った矢が、後世『吾妻鏡』に言う「源家平氏を征する最前の一箭(いっせん。箭=矢)」となったのでした。
月夜の大乱戦、佐々木兄弟の連係プレーで堤信遠を討ち取る!「者ども、かかれっ!」
「「「おおぅ……っ!」」」
さぁ、戦闘が始まりました。こっちが射かけてくるのを待ち構えていたかのように信遠の軍勢も驟雨のごとく矢を射返し、昼間のように明るい月夜の中で、両軍が白刃を煌めかせます。
「堤権守、覚悟!」
敵をなぎ倒しながら信遠の近くまで肉薄した経高でしたが、不意に敵の矢が肩に当たりました。
「ぐぅ……っ!」
「青二才が、我が首級を望むなど百年早い……ぐぁっ!」
佐々木兄弟の四男・佐々木高綱。歌川国芳「名高百勇伝 佐々木高綱」より。
その時、信遠の背後に回り込んでいた定綱と佐々木四郎高綱(しろうたかつな。二人の弟)が斬りかかり、見事に信遠の首級を上げたのでした。