佐々木主浩、江川卓、大谷翔平…プロ野球「絶対に打てない魔球」 (3/5ページ)

日刊大衆

江川卓(巨人)、星野伸之(阪急他)らが、一時代を築いた名手。特に江川は、ストレートと、このカーブだけで勝ち星を重ねた。全盛期にはカウントを取るカーブと、決め球としてのカーブを投げ分け、打者を翻弄した。愛甲氏は、こんな分析をする。

「江川さんのカーブは落差がすごかったけど、本当の“魔球”はまっすぐだと、俺は思うよ。実際に対戦したのは彼の晩年だったけど、それでも、せり上がってくる感じがしたもんね」

 確かに、ゆったりしたフォームと常人離れした回転数を誇った江川のストレートは、「史上最速」との呼び声も高い。名にしおうストレートがあればこそのカーブだったということか。「まさに、その通り。俺も完璧にタイミングを合わせたつもりが、結果はどんづまり。ただ速いだけの投手とは、球の質が違ったよ」(前同)

 一方の星野は、100キロにも満たないスローカーブが代名詞。その緩急差で、最速120キロ台のストレートが「伊良部(秀輝)より速い」とも評されるなど、打者を大いに幻惑した。「星野さんは目いっぱいに腕を振るから、打者はその残像に惑わされるんです。あとはフォークがあったのも大きかった。苦手な打者が多かったのは、その合わせ技が要因です」(藪氏)

 余談になるが、カーブについては藪氏から、こんな驚きの証言も得られた。「ナゴヤ球場では、右打席から見た左投手のカーブが、ちょうどバックスクリーンの白と被ってしまう。つまり物理的に消えるんです。当時の中日で山本昌さんや今中(慎二)、近藤(真一)といった左のカーブ投手が多く活躍していたのも、それと無関係じゃないのかなって。まぁ、半分は冗談ですけどね(笑)」

■シュートやシンカーも

 これ以外にも、バッターに食い込んでくるシュート、沈む球のシンカー、ストレートと同じ軌道ながら球速が遅いチェンジアップなど、球界には変化球と同じ数だけ、名手が存在する。

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