世界で初めて可視化された超大質量ブラックホールの正体は、仮説上の天体ボソン星かもしれない(オランダ・ドイツ共同研究) (1/5ページ)
ブラックホールの正体はボソン星? image by:Olivares et al., MNRAS, 2020
おとめ座の方向にある楕円銀河「M87」の中心には、太陽の65億倍とされる超大質量ブラックホールが鎮座している。その姿をイベントホライズン・テレスコープ(EHT)で可視化することに成功したのは昨年のことだ。
それは天文学における快挙と評されているが、これに疑問符を投げかける研究グループが現れた。
可視化に成功したことを疑っているのではない。オランダ・ラドバウド大学とドイツ・ゲーテ大学の研究グループが疑っているのは、それは本当にブラックホールなのか? ということだ。
・一般的な恒星とは別の物理法則にしたがう仮説上の天体「ボソン星」
一般的な恒星は「フェルミ粒子」(陽子、中性子、電子など)で構成されている。一方、現時点では仮説上の天体である「ボソン星」は、「ボース粒子(=ボソン)」で構成されている。
ボース粒子の例としては、「光子」や「グルーオン」、さらには素粒子に質量を与えることから神の粒子と呼ばれる「ヒッグス粒子」などがある。これらはフェルミ粒子とはまた別の物理法則にしたがっている。
たとえば、フェルミ粒子を支配するルールとして「パウリの排他原理」というものがある。これは、同じ空間にまったく同じ粒子が2つ存在することはできないという物理法則だ。
ところがボース粒子にはこれが成り立たない。