病と事故で両指が動かなくなったピアニスト、「魔法の手袋」で20年ぶりにピアノを弾く(ブラジル) (3/5ページ)
そして去年3月、ついに音楽活動を引退した。
・「魔法の手袋」で20年ぶりに両指でのピアノ演奏が叶う
工業デザイナー、ウビラータ・ビサロ・コスタさんは、マルティンスさんの引退を惜しみ、彼の演奏を再び聞きたいと切に思った。
そこで、バイオニック技術を利用した手袋を作ることを思い立ったのだ。コスタさんはサンパウロにある町のコンサートにやって来たマルティンスさんに近付き、手袋を作りたいと申し出た。
その後、数か月かけてプロトタイプをテストされた手袋は、去年12月にようやく完成した。
費用はわずか約500レアル(約9340円)。手袋は、合成ゴム「ネオプレン」で覆われており、ピアノの鍵盤を押した直後に、カーボンファイバーの板が指を上に突き上げる仕組みとなっている。
この技術によって、マルティンスさんは10本の指のうち9本を使って、およそ20年ぶりに両指でピアノを演奏することができた。
ブラジルのメディアでは、「クリスマス前に新しいおもちゃを手に入れた少年のように、彼は喜んでピアノを弾いた」とこの1件を報じている。
事実、マルティンスさんの喜びは大きく、自宅近くのバーに急行し、就寝中もその手袋を外さないほどだそうだ。
・インスタグラムで動画がシェアされると感動を呼ぶ
両指を使ってピアノを弾いたのは1998年以来というマルティンスさんのバッハを弾く動画が、自身のインスタグラムでシェアされると、たちまち拡散した。