印象派画家モネと薄幸の妻カミーユ 作家が語る2人の「微笑ましいエピソード」 (1/3ページ)

新刊JP

『マダム・モネの肖像 文庫改訂版』(幻冬舎刊)
『マダム・モネの肖像 文庫改訂版』(幻冬舎刊)

美術史において、フランスにおける19世紀後半の印象派の登場は重要な分岐点だった。その旗手だったのが、画家のクロード・モネである。

モネには2人の妻がいた。1人は若き日の貧困時代を支えた「早世の」そして「薄幸の」妻カミーユ。そして、カミーユの死後、再婚したアリス。
『マダム・モネの肖像 文庫改訂版』(松井亜樹著、幻冬舎刊)は、モネの最初の妻であるカミーユを主人公に、夫婦の波乱に満ちた日々、そして印象派勃興の軌跡を描いた小説だ。

残されている資料が少ないと言われるカミーユ。しかし、かの有名な『散歩・日傘をさす女性』をはじめ、モネの初期の数多くの作品でモデルとなっている。では、モネとカミーユはどんな夫婦生活を送っていたのか?
本作を執筆した作者の松井亜樹さんにお話をうかがった。

(新刊JP編集部)

■「2人の幸せの瞬間をできる限り詰め込みました」

――モネとカミーユは夫婦であり、画家とモデルという2つの関係性がありました。この2つの関係性がもたらしたものがあるとすれば、それは何だと思いますか?

松井:夫として父としての務めを求める妻の立場と、夫の仕事を応援するビジネスパートナーとしての立場を、カミーユは両立させなければなりませんでした。

私自身、夫婦って世にも奇妙な難しい関係だと年々実感しています(笑)。距離が近すぎるゆえに言ってはいけないことがあったり、心の距離が遠くなったり、ちょっとしたことでお互いの気持ちや考えを誤解してしまったりしますよね。モネとカミーユの間にも、小さな齟齬が重なっていきます。

さらに彼女の場合、モデルでもあった。一緒に作品を作り上げるビジネスパートナーでもあったわけです。妻とモデルの両立は難しかったでしょうね。モネは当然、カミーユに対して仕事の最大の協力者であり理解者であることを求めたでしょう。妻としてはちょっと辛い(笑)。

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