チェーン店デザイン日本一の設計士が明かす、「リピートするお店」と「二度と行かないお店」の違いとは (5/5ページ)
――1回、使いにくいなと思われたらもう来店されなくなりそうです。
大西:そうなんです。ところが、お客さんが小さいストレスを感じるタイミングって意外とあって。例えば、「すみません」って声をかけて気付いてもらえなかったり、商品提供がちょっと遅かったり、そういうところでストレスがかかってしまうんです。
そのストレスをゼロにするという考え方を最初から持てれば、作業効率が早くなる厨房設計にできたりするわけですよね。そういう視点はデザインの段階から入れていいのではないかと思っています。
これは海外の事例なんですが、中国の重慶と大連に全く同じ作りの店舗を出店しても、片方は上手くいかないはずです。それはなぜか。中国人って地域によって平均身長が違っていて、大連はロシア系の血が入っているので、女性でも170cmを超える人が多いんですよ。一方、重慶はどちらかというと小さい女性が多い。
だから、レジの高さを5cm変えていたりするんです。標準化しているようでしていない。日本ではそういうことはないんですが、海外では同じ国の中でそういう違いがあったりしていて、その違いを店舗作りに反映していくことが大事だと思っています。
――みんな同じように見えるチェーン店でも、設計やデザインは違っているものなんですね。
大西:そうですね。レジの高さの5cmでも結構なストレスになりますからね。低いと身体の大きな人は腰を痛めてしまうかもしれないし。そういった部分が、実は隠されている「ダサカッコイイ」デザインの1つの事例です。
他にも北海道で「なか卯」や「すた丼」をたくさん設計してきましたが、寒くて雪が積もる地域なので、冷たい風が入ってこないように入り口に風除室を設置したり、ドライブスルーのために雪が溶けるような地面にしたり、あとは屋根の雪を除雪する機材を入れたりしました。そういう対応が実はお客さんを引き寄せるのだと思います。
(後編に続く)