10垓分の1秒単位、史上最短の現象が計測される(ドイツ研究) (1/3ページ)
史上最短の現象が計測される/iStock
どうやら一瞬の定義は塗り替えられてしまったようだ。ドイツの研究者によって史上最短の現象が計測されたからだ。
それは光子が水素分子1個の長さを通過するのにかかる時間
10垓(がい)分の1秒単位の長さの現象だ。
・超高速のミクロの世界
ミクロの世界は超高速の世界でもある。人間の時間感覚では一瞬でしかない1秒ですら、まるで永遠であるかのように思えてくる。
化学物質の結合と分離はわずか「フェムト秒」(1000兆分の1秒)で起こる。ゆえにここ数十年では、そうした超高速世界の現象を計測するためにフェムト秒レーザーパルスが利用されてきた。
だが、もはやフェムト秒すらのろま扱いされる日が来てしまった。
・光子が水素分子を通過するまでの時間
ドイツ・フランクフルト大学とフリッツ・ハーバー研究のグループは、水素(H2)分子にX線を照射して2つの電子を排出(光電離)させ、そのときの干渉パターンを計測。これによって光子が最初に水素原子に到達し、それから分子に到達するまでの時間を超々精密に算出した。
その結果は247ゼプト秒だ。