『全裸監督』脚本家・山田佳奈が描く「親の介護・相続・セックスレス…令和の家族と“正義”」 (2/5ページ)

日刊大衆

コロナ禍で映画も舞台も“不要不急”とされましたが、文化やエンターテイメントの社会における意義って“人を生かす力”“人を育てる力”だと思っているので、反対意見を否定したら意義がなくなっちゃいますからね」(山田佳奈=以下同)

■自分自身が抱え続けた「女性性嫌悪」

 冒頭から「表現」について、そして「文化やエンタメの意義」について語る彼女。20代で自らの劇団「□字ック」を立ち上げた当初は、「女性」をテーマにした舞台が多かったという。

「20代の頃は、”女性を描かなければいけないんだ“って思っていたところがありましたね。女性のあるがままの姿、普段は隠しているものを表現することで、”よくぞ言ってくれた“とお客さんが喜んでくれた。それで、ああ、私は女性を描いていくべきなんだ、と思ったのもあります。それと、もともと自分自身の女性性嫌悪がすごかったんですよ。男性とは対等でいられないし、女性としても劣っている存在だという思いが強かった。それが11月の映画『タイトル、拒絶』にもつながってくるんですが、そこから作品を重ねていくうちに、女性を描くというのは私自身の根幹ではあるものの究極、私は人間に向き合いたいんだな、という思いに行きついたんです。そう思えたときに、これまで避け続けてきた家族に30代になって向き合おうと思えたんですよね」

■「親の人生の半分も知らないな、ということに気がついた」

 立ち上げた劇団も軌道にのり、演劇だけでなく、映画の監督やドラマの脚本、アーティストのミュージックビデオなど「表現」の世界で幅広い活動をしはじめた彼女は30代になってから、「家族」をテーマにした舞台を作りはじめる。

「今回の家族をテーマにした小説も、もともとは舞台だったものを肉付けして、小説にしたんですけど、話を書こうと思ったきっかけは認知症という病気に関心を持ったからなんですね。テレビのニュースとかで認知症の方が行方不明になった、とか、家族が探しています、というのを見ると、その方の人生に思いを馳せてしまう自分がいたんです。そんなことを考えていたら、そういえば、私自身、親の人生の半分も知らないな、ということに気がついた。

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