「黄砂がコロナとやってくる!」北朝鮮に“国家存亡”の緊急事態【全文公開】 (1/4ページ)

Asagei Biz

金正恩
金正恩

 コロナウイルスの世界的な流行に一線を画していた北朝鮮。みずから鎖国体制を敷き、外部との接触をシャットダウンしていたやさき、今度は「黄砂によるコロナの大流行」を懸念して全土に外出制限を呼びかけたのだ。日本や韓国にも毎年飛来する「黄砂の脅威」で緊張高まる北朝鮮の今に迫った!

 あまりにも突然のニュースだった。北朝鮮の国営テレビは10月21日、次のように報じたのだ。

〈黄砂が新型コロナウイルスを運んでくる恐れがあるので、国民は外へ出ないように。翌22日に黄砂が飛来すると警告するとともに、屋外での建設作業を全国的に禁止すること。夜間外出を控えるように〉

 その翌22日には、朝鮮労働党の機関紙である「労働新聞」でも、最大限の警戒を呼びかける記事を掲載。

「我が国の全地域で22日、黄砂注意報が発令された。(中略)黄砂が22日の明け方、平壌北部から始まり、午後には全地域に影響を与えると予想される。悪性ウイルス感染病を防ぐため非常防疫が強力に行われている現状下では、自然現象だとはいっても最大の警戒心を持って対応することを求める」

 これにより、ふだんは夜でもにぎやかな平壌の街から、人々の姿が消えてしまったという。まさに「コロナに備えた非常事態宣言」とも言わんばかりの情勢なのだ。北朝鮮に詳しいジャーナリストが語る。

「実は北朝鮮は世界でも屈指の新型コロナの防疫体制を敷いている。今年の1月下旬には中国との国境を閉鎖しました。知り合いが2月に仕事で北朝鮮へ行った時に、2週間ホテルで隔離されていました。今では世界的にも当たり前の対応ですが、日本でもまだ危機感が薄い時期に、ここまでのコロナ対策をしていたのは、北朝鮮ぐらいではないか。しかも北朝鮮はコロナの感染者はゼロだと公式的にも対外的にも宣言しているほどで、実際に国家を挙げてコロナ対策に取り組んだことから、猛威を振るっているという情報は耳に入ってきません」

 北朝鮮にとってコロナの流行は国家の存亡にも関わる緊急事態と位置づけられ、移動の制限や国境の封鎖、貿易の停止といったエキセントリックとも言える措置で対応。周辺国と外交問題に発展するトラブルを起こすほど国内での流行に危機感を募らせているというのだ。

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