軟弱男はお断り!幕末明治に活躍した「男装の麗人」高場乱の結婚 (3/6ページ)
「無礼者!」
侮辱に腹を立てた乱はすかさず抜刀、その切先をガキ大将に突きつけました。よもや抜くまい(あるいは抜けまい)とタカを括っていたガキ大将は俄かに怯み、道行く人々もざわつき始めます。
「各々方……この者は拙者の刀を飾りと吐(ぬ)かした!飾りであれば斬りつけても血は出なかろう……どうかご検分下され!」
言うなり乱は一刀を斬り下ろし、ガキ大将の薪雑把を両断します。
「あわわわ……」
「逃げるなよ、小童?これは『飾り』じゃ……よもやその方『飾り』を恐れはするまいな……?」
いったん跳び退(すさ)って距離を取り直した乱は、刀を構えながらジリジリとガキ大将に肉薄します。
「うぬが素っ首、血で飾れ!」
「ひえぇ……っ!」
乱が刀を大上段に振りかぶるや、ガキ大将は泣きながら転がるように逃げていったのでした。
以来、乱のことを(小柄な女の子と)侮る者はいなくなり、一人前の武士として一目置かれるようになったということです。
「女性に戻れ!」父の命により、男性同士で結婚?そんな乱に縁談が舞い込んだのは、17歳となった弘化四1847年。父・正山がこんなことを言い出しました。
「乱よ、婿をとれ!」
「はぁ?!」
生まれてこの方、自分を女性と思ったことがなかった乱にとって、今さら「女性に戻れ」と言われても困惑するばかりです。