軟弱男はお断り!幕末明治に活躍した「男装の麗人」高場乱の結婚 (4/6ページ)
「実は、そなたを男として育てたことを後悔する夢を見てから、寝覚めが悪くてかなわん。やはり女子(おなご)は女子として生きるのが人間のあるべき姿……そういう訳で、これより女子に戻って婿をとるのじゃ!」
「え、えぇ~……」
理不尽この上ない申しつけではあるものの、家長の命は絶対……そこで仕方なく、乱は生まれて初めて女装(花嫁衣裳)に身を包み、婚儀に臨んだのでした。
(……何だ、この男は……!)
迎えた花婿の面貌と言えば、泰平の世にふやけ切った柔和そのもの……乱の心底げんなりした顔が目に浮かぶようです。
(これじゃ、どっちが女だか分かったモンじゃない!)
往時の武士たちは衆道(しゅどう)を嗜み、男性同士で愛し合ったと言うが、それは共に命を預け合う同志の絆を深めるための営み……こんな男に命はもちろん、家運を託してなどなるものか……!
そう思い決めた乱は、花婿を試すことにしました。
「問う。そなたの男根は……」乱が突きつけた三行半さて、新婚と言えば初夜の営みがお約束……早々に身支度を整えた乱は、床に控えて花婿を待ち(構え)ます。
「ふふ~ん♪」
湯から上がって来た花婿は、何も知らずに閨(ねや)へとやって来ました。
(相変わらず、腑抜けヅラをしおって)
内心の怒りを抑えながら、恭しくお辞儀をする乱の端正な仕草に、花婿はぞっこん。