草津や別府など有名な温泉地の多くを僧侶が発見したと伝える開湯伝説 (2/2ページ)
病人を治療するために温泉を発見し、湯治場を開いたことが始まりだとうたっている温泉地は大変多い。しかしこれは歴史的根拠があるものはほとんどなく、誰もが知る高僧の名前を引用しているにすぎない場所もあるであろう。このように僧侶と温泉が関連付けられるのは仏教や僧侶が当時の人々にとって病を癒す存在というイメージに基づいたものであることがわかる。
鎌倉時代となると医学の知識が向上し、温泉の医学的な根拠が見出され本格的な治療方として温泉が注目を浴びる。また戦国時代になると戦国武将がこぞって戦いの傷を癒すために湯治を行っていたといわれている。
■最後に…
今でも温泉地では入浴のことをお湯につかる、と言わず薬につかる、という表現をする。温泉は当時の人々の薬であり、病気を治すための治療の一環であった。それを推奨したというのが僧侶であったことは大変興味深く、仏教が民衆の文化へ強く影響を与えていたことがよくわかる。温泉地に行かれた際は温泉の所以に注目してみると新たな発見があるかもしれない。