「理想の女性」にただ一つ欠けていたもの…源氏物語の正ヒロイン「紫の上」の憂鬱【下】 (2/6ページ)
前回の記事
「理想の女性」にただ一つ欠けていたもの…源氏物語の正ヒロイン「紫の上」の憂鬱【上】 欠けていた「最後の1ピース」ですべて崩壊紫は「紫の上」と呼ばれる通り、上には置かれて(尊重されて)いるものの、葵の上とは違って後見人となる父親がいないため、正式な結婚手続きを踏まえた「北の方(正室)」ではありません。
それでも子供(男女いずれでも可※)がいればまだその母としてその地位を確固たるものと出来たでしょうが、彼女は光源氏との間に子供ができず、そのことでも悩んでいました。
※男児ならば後継者候補に、女児ならば有力貴族あわよくば皇室に嫁がせ、権力を固めるキッカケとできるからです。
光源氏から惜しみない愛情と教育を受けた紫は、当人の資質的には非の打ち所がない「理想の女性」でしたが、彼女には(1)家柄と(2)子供だけが欠けていました。
現代人であれば「女性の魅力に家柄なんて関係ない、子供が欲しければ養子をとればいいじゃないか」と思うでしょうが、当時の女性にとっては貴族社会を生きていく上での死活問題となります。
