窪田正孝『エール』に「朝ドラ史上最高」の呼び声!前評判を覆した“3つの奇跡” (4/5ページ)

日刊大衆

ともすれば存在感がなくなりそうな主人公像だったが、いつしか視聴者が裕一を息子のように応援する気持ちに変わっていったのは、窪田が物語の中で徹頭徹尾、不器用で心優しき裕一という男そのものとして存在していたからだ。

 一方の音は、未来を自ら切り開いていくパワフルな人物像だが、二階堂は持ち前の愛らしさで、時にコミカルに、時に健気に……変幻自在にくるくると変わる表情で、音というキャラクターを魅力的に仕立て上げた。すでに演技派として通っていた2人だけに、キャスト発表時は「新鮮味がない」という声もあったが、窪田と二階堂が織りなす“静と動”の見事なハーモニーは、互いを支え合う夫婦の愛の物語に一層の深みを加えてくれた。

■「朝ドラでここまでやるのか」“志村けんさんの笑顔”も

 2つ目の奇跡は、数々の苦難が降りかかった「歴史的な朝ドラ」となったことだ。

 そもそも本作は、2020年に行われる予定だった東京オリンピックが重要なファクターとなっていた。しかし、新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、オリンピックそのものが中止に。3月29日には、作曲家・小山田耕三として出演していた志村けんさん(享年70)がコロナウイルス感染に伴う肺炎悪化で亡くなったほか、途中、約2か月半の放送休止を余儀なくされ、話数も10話短縮となった。ある意味で“朝ドラ史”に残るような苦難の連続で、未曽有の事態の中、制作を続けなければいけなかったスタッフ・キャストたちの苦労は相当のものだっただろう。

 しかし、凄惨な戦争描写が「朝ドラでここまでやるのか」と大きな反響を呼び、視聴者に戦争の恐ろしさを改めて突きつけた“インパール作戦”のくだりは、話数の短縮によって脚本を書き換えた結果、生まれたものだという。

 また、図らずも志村さんの遺作となってしまったことで、作り手側の意識の変化もあったはずだ。

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