「麒麟がくる」を10倍楽しむ!15代将軍・足利義昭が生きた室町時代を徹底解説 (1/2ページ)

Asagei Biz

足利義昭
足利義昭

 NHK大河ドラマ「麒麟がくる」が佳境を迎えている。劇中では、足利13代将軍義輝(向井理)が没し、15代義昭(滝藤賢一)と織田信長(染谷将太)が対決姿勢をあらわにしようとしている。再脚光を浴びる足利15将軍のルーツと室町の時代を徹底解説する。

「室町時代は誰が勝者で敗者なのかが不明で、後半は下剋上の戦国時代に突入するまさにカオスの時代。ハマッたらどっぷりになってしまう沼中の沼の魅力がある」

 そう語るのは「ヘッポコ征夷大将軍」などの著書がある、れきしクンこと歴史ナビゲーターの長谷川ヨシテル氏。「麒麟がくる」では室町時代の末期が描かれ、今、室町時代全般への関心が高まっているという。とはいえ、南北朝や戦国以前の室町時代を描いた大河ドラマは、尊氏を真田広之が演じた「太平記」(91年)、日野富子を三田佳子が演じた「花の乱」(94年)と、意外に少ない。なぜだろう。歴史ドラマに詳しいライターの近藤正高氏が分析する。

「明治維新から戦前までは、後醍醐天皇と対立の末に北朝を擁立した足利尊氏を逆賊と見なす史観が支配的でした。戦後になっても尊氏や北朝に言及することにタブー感が残り、テレビドラマや映画でも避けられてきたのでしょう」

 現在、「麒麟がくる」に合わせて、BSプレミアムや配信で、その「太平記」と「麒麟がくる」が同時並行で放送されている。室町時代の始まりと終わりを見ることができるのだ。「麒麟がくる」の脚本は、かつて「太平記」の脚本を担当した池端俊策氏によるもの。「麒麟がくる」と「太平記」を併せて見ることで、室町を知る絶好のチャンスになると、近藤氏は言う。

 さて、室町時代とはいったいどんな時代だったのか。

「室町時代は、ひと言で言えば、動乱と戦争の時代でした」

 こう指摘する歴史家の河合敦氏は続けて、

「鎌倉時代、モンゴルが攻めてきた元寇で鎌倉幕府は弱体化。その後、後醍醐天皇が現れ、今なら幕府を倒せると、倒幕の旗を掲げます。足利尊氏は鎌倉幕府を裏切り、後醍醐天皇について六波羅探題(ろくはらたんだい・京都に置かれた幕府の重要出先機関)を攻撃。

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