日本人と「トップダウン」は相性が悪い モチベーションを高める「話の聞き方」 (3/4ページ)
八木:そういうことってありますよね。モチベーションという観点から言うと、自分から話したがる人って、モチベーションが高いんですよ。だって、自分が提案した解決法に基づいて誰かが問題を解決したら、それって自分の手柄じゃないですか。
力の強い人って、アドバイスしたがりだったりしますが、それはモチベーションを独占しようとしているからなんですね。でも、逆に弱い側の人はモチベーションが低下してしまうことになる。
日本のリーダーシップの型として、鹿児島薩摩藩士のスタイルがあります。薩摩藩の武士たちのリーダーシップのスタイルって、上の人は責任だけ取り、あとは下の人間に任せるという形なんです。これは「お神輿構造」と言われています。
お神輿の中には何も入っていないけれど、下で大勢の人間が担いでいるので、あたかもお神輿の中に誰かが入っていて、指示しているように見える、と。これって、日本特有のリーダーシップの構造で、上はある意味空っぽだけれど、その代わり下の支えている人たちのモチベーションが高いわけです。
もし、神輿の上に誰かがいて指示を始めると、下の人たちのモチベーションは下がっていってしまう。一方でアメリカはリーダーの能力が高くて、現場はモチベーションが低いということがあります。だから、どちらかがモチベーションを握っているということなんですね。
――どちらかしかモチベーションを独占できない。
八木:そうです。だから、日本人がアメリカのスタイルを真似ようとしてトップダウンで指示を出そうとすると、失敗してしまうことが多い。そういう風に人材教育されてきていないので。教育そのものをアメリカ式に変えていって、本当に超優秀な人間だけが上に立てるようにしないといけません。
――確かに日本ってそういうスタイルに不慣れですよね。
八木:日本はリーダーが空っぽで下が支えるというスタイルでやってきたので、急に変えるのは難しいと思います。そして、そういうお神輿方式が定着してきたのも、日本人が「聞いて任せる」ということを大切にしてきたからではないかと思いますね。