食肉用ニワトリの捕獲に警備員…流転の人生を歩む男が「悩んでいる時間は無駄」と語るワケ (1/3ページ)

新刊JP

『わたし、探偵になっちゃいました』(幻冬舎刊)の著者・オーサキ・コーさん
『わたし、探偵になっちゃいました』(幻冬舎刊)の著者・オーサキ・コーさん

プロスポーツ選手や、医者、弁護士、俳優。
人がうらやむきらびやかな職業がある一方で、社会の裏方として、目立たないながらも欠かせない職業もある。

「職業に貴賤なし」というのは本当で、どんな仕事にも意義と役割が与えられている。オーサキ・コーさんの『わたし、探偵になっちゃいました』(幻冬舎刊)は、どんなに目立たない仕事であっても誇りと向上心を持ち、ハプニングを怖がるのではなくおもしろがって取り組むことの尊さが際立つ一冊だ。

今回は「人は誰でも物語を書くに足る存在」と言い切るオーサキさんにインタビュー。この小説の成り立ちについてお話をうかがった。その後編をお届けする。

■「悩んでいる時間は1秒でも無駄である」の真意

――「悩んでいる時間は1秒でも無駄である」という言葉も心に残りました。悩まないための秘訣について教えていただきたいです。

オーサキ:私自身はこれまで何度も傷ついたり、悩んだり、迷ったりしてきました。20代後半までそんなことの連続でした。具体的な話は避けますが、子どもができてからは「こんな労働者でいいのかな」と悩んで落ち込んだりとかね。

でも、年齢を重ねるごとに、なんだかんだ、こういう時はこう対処する、という「引き出し」は増えますよね。迷いを断ち切る方法も自分なりにわかってくる。この本で書いた「悩んでいる時間は1秒でも無駄である」というのは、悩むこと自体が無駄ということではなくて、悩んで深い穴に落ちていく前に、すぐに何か行動を起こすことで少なからず楽になることがある、ということを言いたかったんです。

――何もしないとかえって落ち込んでしまうというのは理解できます。

オーサキ:ただ、悩んでいる時間は悩んでいる時間で、大切にしてほしいとも思います。「職場を勇気を出してサボる事」も「前を向いて行動を起こすこと」の一部ですし、悩み、悶え苦しむのもそうです。生存していることそのものが、すでに前向きなことですよね。たった1秒で済ます無駄な悩みは、無限の悩みの裏返しです。

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