戦国時代のハニートラップ!日本初の火縄銃づくりに貞操を捧げた17歳の乙女「若狭」【後編】 (3/5ページ)
何か嫌な予感がして問い質すと、若狭は自分が南蛮人に嫁ぎ、懇ろとなって火縄銃の秘密を聞き出そうと言うのでした。
「何をバカな!そなたが犠牲になる必要はない!そもそも、たとい嫁いだとしても、その南蛮人が知っているとも限るまい」
「……我が夫となった者を通じて、知っている者から聞き出せばようございます……ですから父上、どうか此度のこと、わたくしにお手伝いさせて下さいませ!」
それでも、得体の知れない南蛮人に大事な娘を嫁がせるのは忍びない……金兵衛は言葉を尽くして説得したものの、若狭は決して折れませんでした。
「……相分かった。左様に堅き決意なれば、ゆめゆめ無には致さぬ」
「……ありがたき仕合わせ……少しでも御恩を返せて、嬉しゅうございまする……」
かくして若狭は天文12年(1543年)8月、南蛮人フランシスコ(牟良叔舎)に嫁ぎ、あの手この手で火縄銃の秘密をすっかり聞き出したということですが、現代なら最先端の技術情報を盗み出すためのハニートラップとも言えそうですね。
答えは「ネジ」の技術だった!さて、火縄銃の御栓をふさぐ秘密とは、何と「ネジ」の技術でした。
それまで金兵衛は銃身の底を鍛接(たんせつ。熱して打ち、鉄同士をくっつける≒ふさぐこと)しており、どれだけ丹念に打っても接合面が火薬の爆発力に負けてしまっていました。
しかし、素材同士が螺旋状に絡んでしっかりと噛みあったネジであれば、ネジ山(雄ネジ)とネジ溝(雌ネジ)が火薬の爆発力を分散・吸収して押し返し、弾丸を発射する推進力とできるのです。
(※解りやすいよう、ごくざっくりと紹介していますので、専門的なツッコミはご容赦願います)
果たして金兵衛が日本で初めてとなるネジ技術を用いて尾栓を作ってみると、とうとう発射に成功。何度撃っても暴発しない強固な銃身を実現できたのでした。