デザイナー・タンパク質の革命的な回復力。麻痺したマウスが再び歩けるように(ドイツ研究) (1/4ページ)
デザイナータンパク質で麻痺から回復したマウス/Pixaboy(イメージ画像)
脊椎を損傷して体が麻痺し、動かなくなったマウスの脳に神経を伝達するデザイナー・タンパク質を注入したところ、神経細胞の再生がうながされ、ついには歩けるようになったそうだ。
サイトカインの一つ、インターロイキン-6を人工的に合成し、ハイパーインターロイキン-6という融合タンパク質を作り上げ、神経細胞を刺激したところ、根治が難しい神経線維の軸索(じくさく)が修復したという。
・根治が難しい軸索損傷と有望な治療法
脊椎の損傷は、体への影響が特にはなはだしい大怪我だ。神経細胞のもつ突起「軸索(じくさく)」という部分がダメになってしまうと、脳と筋肉との間で信号を送受信することがきなくなり、手足は動かなくなってしまう。軸索は再生しないので、治る見込みは薄い。
だが、最近では脊椎刺激療法や神経細胞の抑制・興奮シグナルのバランスを回復させる化合物など、麻痺してしまった手足を回復させることが可能になるのではと期待を抱かせてくれる研究成果もいくつか報告されている。