コロナ禍での賃料減額の税務上の取り扱いについて元国税の税理士が解説 (1/2ページ)

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コロナ禍での賃料減額の税務上の取り扱いについて元国税の税理士が解説

世界経済に大きな悪影響を与えている新型コロナウィルスですが、その対策として押さえておきたいことの一つに賃料の減額要請があります。コロナにより経営に悪影響があった場合、固定費である賃料の負担を抑えるため、大家に賃料の減額を認めることについて税務上の支援があります。


■寄附金にならない

賃借人の経営状況の悪化により大家が賃料を減額するような場合、それは「支援」に当たりますので税務上寄附金として取り扱われることが原則です。寄附金に該当すると、その金額は基本的に経費になりません。

しかし、コロナ対策の一環として、以下の要件を満たす場合の賃料の減額については、寄附金課税の対象にならないとしています。

1 賃借人において、コロナに関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること

2 賃料の減額の目的が、取引先等の復旧支援であり、そのことが書面などにより確認できること

3 賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間内に行われたものであること

注意したいのは、上記2です。この要件は書面の保存が必要になりますので、確実に作成する必要があります。なお、この様式について、国土交通省がサンプル(PDF)を出していますので参考にしてください。

加えて、賃料を減額した場合以外に、過去の賃料の債権を免除することも認められます。

■消費税の処理

ところで、寄附金や債務免除については、消費税の経費になりません。このため、上記のような賃料の減額についても、消費税の経費にならないという疑問が生じます。

この点、必ずしも明確ではありませんが、賃料を減額されることは値引きと変わらず、値引きは消費税の課税売上の減少として取り扱われるため、原則としてこれと同様の取扱いになると考えられます。

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