自分の死亡届を勝手に提出された女性、自分の生存を証明するため3年を費やす(フランス) (3/3ページ)
この法的論争は長引き、7年が経った2016年、原告女性はプーシェンさんが死亡したと裁判所で伝えた。
というのも、幾度となくプーシェンさんに出した損害賠償についての手紙の返事が全く来なかったからだ。女性は、プーシェンさんの代わりに彼女の息子や夫に損害賠償の支払いを命じるよう裁判所に求めた。
この時、裁判所の誰一人として、原告側の女性の「プーシェン死亡説」を疑わなかったようだ。
現在、プーシェンさんの死亡届を取り下げるために戦っているシルヴァン・コルミエ弁護士は、このように話している。
信じられないクレイジーな話です。裁判官が、死亡証明書なしに誰かの死を認め、法的に宣告するなどあり得ない話だと思っていました。
ですが、届け出をした原告女性は、プーシェン夫人の死亡証拠を提出することなく夫人の死亡を主張し、裁判所も誰も調査しようとせずにその言い分を信じたのです。
・生存が認められず身分証明もできないまま
勝手に死亡届を出されたことで、プーシェンさんは当局の公式記録から削除されてしまった。
この3年間、存在していないとされているプーシェンさんは、身分証明書や運転免許証、銀行口座、健康保険など、自分の存在を証明するために必要な全ての公式文書の発行が全て無効になっているという。
プーシェンさんは、自分の家族から損害賠償を勝ち取ろうとして勝手に死亡宣告した原告の女性を非難している。
しかし女性の弁護士は、プーシェンさんが損害賠償の支払いを避けるためにした自作自演の芝居であり、プーシェンさん自身が死亡届を偽装して提出したと反論している。
私には、この3年間身分証明書も健康保険もありません。生きていることを銀行に証明することもできず、本当に苦難を強いられています。
最初は、私がまだ生存しているということを医師に証明してもらいさえすれば、スムーズに問題解決すると弁護士に言われたのですが、そんな簡単にはいきませんでした。
でも、私自身が戦わなければ、誰も私のために何もしてくれないので、諦めずに戦います。
現在も、死んだままになっているプーシェンさん。生存を証明するための戦いは、まだまだ続きそうだ。
written by Scarlet / edited by parumo