想う相手はただひとり…精神的つながりも重んじる命をかけた武士同士の愛「衆道」【後編】 (2/5ページ)
江戸時代以前の男色は決して「快楽のため」だけではない?恒例の儀式や同志の契りを交わす意味も大きかった
また、組織の長につかえることで、高度な教養・戦術・戦略運営方法などを学び、成長してからは重臣となって活躍する人物も多かったそうです。
妻を残し戦場で長期間過ごす際に、女性の代わりに若い小姓を性愛の対象にしたという説もありますが、長期戦の場合は、陣中に周辺の遊女たちが集まったなどという例もあり、ただの性愛の対象とは異なっていたともいわれています。
命がけの愛江戸時代の佐賀藩士・山本常朝が口述した武士の心得書「葉隠(はがくれ)」(1716年)の中では、
「命を捨てるが衆道の至極也。さなければ恥に成也。然れば主に奉る命なし」とあります。