謎に包まれた山城「吉備鬼ノ城」伝説の鬼、温羅の正体は?桃太郎伝説に迫る! (1/4ページ)
突然ですが、日本には「古城」がいくつあると思いますか?
まあ「古城」というとずいぶんアバウトなイメージになってしまうのですが、「古代」というとどうでしょう。
山城の起源は7世紀の飛鳥時代に遡るのですが、この時代の山城を指して「古代山城」と呼びます。どこの地方にも城跡があると思われがちな日本でも、現存する古代山城は実は20ほどしかありません。
「日本書紀」など文献に記載された古代山城は「朝鮮式山城」、文献に記載のない山城は「神籠石山城」と分類されます。後者は「いつ・誰が・なぜ」築いたのか不明の城を指します。そしてなぜ神籠石と呼ばれるようになったのかも不明。
そのなかの日本最大の朝鮮式山城、「吉備鬼ノ城(きびきのじょう)」はとっておきの謎だらけ。
鬼退治で有名な「桃太郎伝説」に彩られた城で、「日本の100名城」にも選ばれているのですが、実はこの城のことはどの史書にも記されていないのです。
発掘された土塁は全長2.8キロで山頂周囲をぐるりとめぐり、排水目的の水門が6か所、食糧貯蔵庫や鍛冶場と思しき跡も発掘されています。
城壁は「版築土塁」といって、簡単にいうと板で枠を作り、その中に土を盛り一層ずつ杵で突き固めていく工法です。