コロナ禍でメンタル不調 会社と個人ができる対策とは (3/4ページ)

新刊JP

その時、身体の方にだるさですとか、そういうものを感じるようになるんですけど、だましだまし仕事はできてしまうんですよね。

ただ、個人差があるにせよ、その状況がひと月、ふた月と続くと精神面にも影響が出てくる。うつ状態になってしまったりしてしまうんです。去年の3月から4月にかけて急にテレワークに移行した会社さんでは、6月や7月あたりにうつっぽさを感じる人が増えてきていたという実感は私にもあります。

――カウンセリングをしている中で、テレワークうつのどういうところに原因があると感じましたか?

浅賀:たとえばオンとオフの切り替えができないという声はよく聞きました。それまでは家から出る、家に帰るというところで切り替えを自然に行っていたけれど、それができなくなった。

あとは、ちょっとした雑談ができなくなったということも大きいです。チームでやっていても、ちょっと話しかけにくいとか、わざわざツール使って話すほどでもないという理由でコミュニケーションを取らずにいたら、それまで相談できていたことを抱え込む結果になったということですね。

テレワークの中でも必要に応じて雑談を入れている会社はまだ大丈夫なんですが、社員が黙々と仕事をしている会社は注意が必要ですね。特にIT業界はいつまでその業務を終えられればよくて、あとは個人の裁量に任せるという傾向がありますから、テレワークにした途端にこもってしまうということが多いです。

――テレワークへの移行に際して、上手い会社、下手な会社があると思うのですが、浅賀さんから見て、上手な会社はどのように移行していると思いますか?

浅賀:IT業界に限らずですが、上手な会社はコロナ禍になる以前から出社と在宅を選べるようにしていました。たとえば台風や大雪のときに、すぐにテレワークに対応できたり、事前申請すれば家でも仕事ができるようにしていたり。

生産性を上げるために一番自分にとって良いと思う場所で仕事をしてくださいという感じで、適度に社員を信じて働く場所の裁量を与えていた会社は、上手くやれていると思います。

「コロナ禍でメンタル不調 会社と個人ができる対策とは」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る