ビジネスモデルは関係ない。危機を乗り越える会社に共通する特徴とは (3/7ページ)
でも、それがどんな会社にも共通する成功事例であるかどうかはわかりません。意図した結果にならないケースもありますし、逆に会社がおかしくなることすらあるのです
――では、他社の事例を取り入れて成功するケースは「たまたま」であることが多いのでしょうか?
松岡:いえ、そういうわけでもありません。その他社の成功事例は、自社の企業理念を実現し、事業の中核的強みであるコア・コンピタンスを強化する方向に向かうのか、まさに自社に合うかという視点で見て、それに合わせる形で導入することができれば、成功の精度は高まります。

――本書の最もユニークな部分の一つは、松岡さんご自身の経歴が反映されている点だと思います。リクルート、ファーストリテイリング、ソフトバンクという3社を渡り歩き、ビジネスモデルも企業文化も全く違う中から、成長する企業の共通点を導いています。まずはこの3社のそれぞれの特徴を教えてください。
松岡:おっしゃる通り、ビジネスモデルも社風も全く違う3社でした。もちろん、そこに良し悪しはありません。それを前提にお話をしますと、私がいた頃のリクルートは個人の力の集合体のような会社でした。ベースに個人の自由がありました。これは当時社長だった江副浩正さんが「多くのリーダーシップ論では、1匹のライオンが100匹の羊を操る術が説かれているが、私はライオンになれないので、100匹のライオンを束ねる羊なろうと思った。そういうやり方があってもいいのではないか」というコンセプト通りです。
次に勤めたファーストリテイリングは、首尾一貫して、いかに組織全体が機能的に動くかが大事な会社でした。その意味ではリクルートと全く逆ですね。でもそれはビジネスモデルと嚙み合っていて、逆にそれが実現できなければ成長はないという状況でした。