ビジネスモデルは関係ない。危機を乗り越える会社に共通する特徴とは (6/7ページ)
リクルート事件のときは電話をかければすぐに切られるし、飛び込み訪問したら塩を撒かれるくらいの勢いで拒絶されました。そんな中で私たちが考えていたことは、社名は関係なく自分たちの事業はどんなことがあっても残すということでした。それは自分たちがやっていることは、絶対に社会のためになるという覚悟があったからです。
――それが先ほど言っていた「社外規範への共鳴」という点ですね。
松岡:そうです。自分たちが事業を通して成し遂げようとしていることに本気になっている。だからこそ、会社は危機を乗り越えられたのだと思います。逆に言えば、会社の看板がなくても仕事をするぞという覚悟です。
また、「社外規範」への共鳴とともに、社内で理想とされる行動や考え方、つまり行動指針である「社内規範」への共鳴もありました。リクルートの社内規範である「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という働き方に共鳴していたんですよね。
これは、ファーストリテイリングもソフトバンクも同じでした。世の中を変えるという社外規範があって、そこにコミットメントしている。だから危機を乗り越える共通ポイントは何かというと、「社外規範」と「社内規範」への共鳴が大きな1つとしてあげられます。
――その礎となるような部分がしっかりしているわけですね。そうした社内外の規範に社員が共鳴する仕組みがあったのでしょうか?
松岡:これも大事なポイントですが、上司が「理念」に則った会話や対話をしているかという視点が重要です。コミュニケーションの中で根付かせることが必要なんです。たとえば、理念で「顧客のため」と言いつつも、部下が営業先から会社に戻ってきたときに、上司が「売上は? 契約は取れたのか?」だけを聞いたら、極端な言い方ですが「騙してでも契約を取ってこい」というニュアンスになりますよね。
――確かに顧客ではなく数字だけが大事だと聞こえます。
松岡:でも、同時に上司が「お客さんは喜んでくださったか? 提案に驚いてくださったか?」と聞くと、顧客が大事だと皆が思うでしょう。