狂犬病ウイルスが変異し、人類を攻撃的なゾンビに変貌させる可能性があるとするイタリアの研究

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狂犬病ウイルスが変異し、人類を攻撃的なゾンビに変貌させる可能性があるとするイタリアの研究
狂犬病ウイルスが変異し、人類を攻撃的なゾンビに変貌させる可能性があるとするイタリアの研究

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 近頃はコロナウイルスの変異株への警戒感がグッと高まっているが、変異が怖いウイルスはコロナだけではないようだ。

 『Acta Biomedica』(2月4日付)に掲載された研究によると、狂犬病ウイルスが人間をゾンビ化してしまう「ゾンビウイルス」に変わることもあり得ると警鐘を鳴らしている。

・世界でもっとも致死率が高い狂犬病ウイルス

 このところ人類を大混乱に陥れているのは新型コロナウイルスだが、致死率という点では狂犬病ウイルスが圧倒的だ。ラブドウイルス科リッサウイルス属に区分されるこのウイルスに感染してしまえば、ほぼ100%助からない。

 狂犬と名がついているが、新型コロナと同じく、元々はコウモリが宿主だったと考えられている。だが哺乳類のほぼすべてがこのウイルスに感染し、途上国で確認される人間の狂犬病の99%近くが犬に襲われて感染したものだ。

 狂犬病ウイルスは主に唾液の中に潜んでおり、これを保持した動物に噛みつかれたり、引っ掻かれたりすることで感染する。そうなればきつい神経症状で苦しんだ挙句、ほとんどが死にいたる危険きわまりない相手だ。

狂犬病ウイルス
狂犬病ウイルス/iStock

・人間が人間に噛みついて感染を広げる「狂騒型」狂犬病ウイルスの脅威

 人体に感染した狂犬病ウイルスの症状には主に2つのタイプがある。1つは、およそ20%を占める「麻痺型」。これに感染すると、徐々に人体の機能が停止して、やがて意識を失い死亡する。

 だがその代名詞と言えるのは「狂騒型」だろう。これに感染した患者は興奮や精神錯乱をきたし、ときに攻撃的になることもある。

 また水を恐れたり(恐水症)、風を過敏に避けるようになる(恐風症)のも典型的な症状だ。こうした症状が感染から数日で現れ、やがて脳神経や筋肉が麻痺して、呼吸停止で命を落とすことになる。

 動物に噛みつかれて感染し、感染者の多くが凶暴になるのだから、この時点でどこかしらゾンビを連想させる。

 最近ではコロナウイルスの変異株が耳目を集めているが、狂犬病ウイルスの場合、人間が人間に噛み付いて感染を広める文字通りのゾンビウイルス変異株も理論上は考えられるという。

人が人を襲う「狂騒型」 狂犬病の脅威
人が人を襲う「狂騒型」 狂犬病の脅威/iStock

 イタリア、パルマ学術病院のジュゼッペ・リッピ氏らの研究グループは、次のように述べている。

多くのウイルスが自然環境でも高い確率で突然変異することが広く知られている。常に変化することは、宿主の防衛機構を逃れたり、感染に弱い別の宿主への伝染を容易にしたりする、信頼性の高い手段である。狂犬病ウイルスもこのルールの例外ではない

 事実、すでに幅広い範囲の感染者や地域において、最大100もの抗原性変異株が存在するとリッピ氏らは述べている。


・悪意を持った人間が人工的に狂犬病ゾンビウイルスを生み出す可能性

 ウイルスにおいては、タンパク質に含まれる単一のアミノ酸の突然変異ですら、その性質を大きく変えることがあるという。それによって病原性や感染力が大幅に増大してしまえば、人類全体にとってきわめて厄介な存在になる。

 さらに恐るべきは、それが自然のプロセスによってばかり起きるとは限らないことだ。危険なゾンビ狂犬病ウイルスが、悪意ある人間の手によって意図的に作り出される可能性だってあるのである。

同様の脅威が、遺伝子工学によってもたらされるかもしれない。それは映画バイオハザードで描かれた状況の再現になるだろう

 さて、そんな地獄の蓋が開いたかのような状況が実際に発生したとしよう。

 ゾンビが徘徊する世界で生き残るには、ショッピングモールに避難するのがセオリーと思うかもしれない。だが、それは疫学的には正しくないということをまず知っておいてほしい。



References:researchgate / thedebrief/ written by hiroching / edited by parumo
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