インフルエンザの予防接種費用を会社負担とした場合の税務はどうなるか (1/2ページ)
新型コロナウイルスの関係もあって、インフルエンザの予防接種のニーズが多いようです。実際のところ、発熱するだけで業務に支障も出ることから、企業としてもインフルエンザの予防接種を従業員に受けさせたい、というニーズもあります。このため、インフルエンザの予防接種費用を会社負担とした場合の税務が問題になります。
■福利厚生費か給与か
このような従業員に資する費用を会社が負担する場合、税務上の取扱いとしては給与になるか福利厚生費になるかが問題になります。給与に該当すると源泉所得税などの負担が生じますが、福利厚生費であれば全額経費ですので、会社としては後者として処理できれば都合がいいです。
福利厚生費の要件としては、大きく3つほどあります。一つは、(1)原則として社内の全従業員・役員を対象にすることです。一部の役員だけが対象、などとなれば、その役員に対する利益供与に当たるため、給与にならないとされます。
次に、(2)その負担額が高額ではないことです。金額が大きすぎると、社内行事である福利厚生とは言い難いことから、この点もチェックされます。ただし、税務上は具体的な基準がなく、「社会通念」という常識に照らして判断することになります。
最後に、(3)原則としてお金そのものを給付しないことです。お金を配るのは給与に当たるのが原則ですから、福利厚生費には該当しないとされるのが通例です。
■インフルエンザの予防接種に当てはめると
上記を踏まえた場合、対象者を従業員・役員全員とすれば、インフルエンザの予防接種の費用は福利厚生費の一環と見て問題ないと考えられます。実際のところ、権威ある税務の専門誌にも、上記①~③の要件を満たす場合、この費用は原則として福利厚生費に該当すると解説されていました。
なお、この予防接種の費用に類似した費用として、会社が負担する人間ドックの費用に関する取扱いがあります。