約3500年前の鉢の破片に碑文が、アルファベットのミッシングリングを解き明かす鍵となる(イスラエル) (5/6ページ)

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(image credit:public domain/wikimedia・最初のアルファベット文字は平和な時代に伝わった
 2021年6月、この発見についての論文の中で、オーストリアとイスラエルの考古学者たちが、アルファベット文字がどのように古代エジプトから南レバントに伝わっていったかについて、新たな仮説を発表する予定だ。

「初期のアルファベット文字は、中期青銅器時代後期(紀元前1650~1550年)の間に南ラバントへ伝わり、少なくとも紀元前15世紀半ばにはテル・ラキシュで使われていました。急激に広まったのは、中期青銅器時代後半と、西アジア起源の王朝(ヒクソス)がエジプト北部を支配していたエジプトの第2中間期(紀元前1782~1570年)頃なのではないでしょうか」

 歴史的にはこの時期は、ヌビア人が南、テーベ人が中央、よそ者のヒクソク人が北部という具合に、エジプトの政治勢力は分割されていた。

 ヒクソスはパレスチナ移民を先祖とするセム系民族であるため、南レバントの都市国家との関係は友好的で、戦いに臨むヒクソスが必要とするときはいつでも味方を得られる環境を築き上げてきた。

 こうした状況の中、世界初のアルファベット文字がエジプトからレバントへ導入されたと思われる。

 新しいエジプトのアルファベットは、戦時ではなく、平和な時代にもたらされ、ヒクソスとその祖先が古代の故郷で互いに関心をもち、絆を深めるのに役に立ったのは間違いないだろう。

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