いよいよ公開する映画「HOKUSAI」に備えて!葛飾北斎、喜多川歌麿、写楽の代表作を紹介 (3/6ページ)
晴れた日の明け方に、富士山が一瞬赤く染まる瞬間を描いています。
また、同じ富嶽三十六景シリーズの中でペアになる作品として「山下白雨」があります。
富嶽三十六景 山下白雨
山の中腹はもくもくとした入道雲に覆われ、下の方では雷が鳴っています。
こちらも富士の威厳を感じられる作品です。
ダイナミックで威風堂々とした作品も多い富嶽三十六景シリーズですが、発表されたのは北斎が72歳の時であったというから驚きです。
80代になっても絵への情熱が消えることはなく、晩年には肉筆画にも挑戦しています。
90歳で亡くなる三ヶ月前に描いた作品「富士越龍図」が、最期の作品と言われています。
ここに描かれた龍は北斎が自分の姿を見立てたものだとする説が有力で、富士を越えて昇天する龍は吉祥のモチーフであると同時に、死を悟った北斎自身の心境の投影とされています。
最期の言葉について、「葛飾北斎伝」では娘の阿栄に「あと十年、いや五年生きられたら本当の絵師になれるのに」と語ったと記されています。