前田敦子以外の初センターに立った大島優子がAKB48を国民的グループに押し上げた【アイドルセンター論】

日刊大衆

大島優子
大島優子

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
AKB48 大島優子(後編)

 AKB48は選抜総選挙と呼ばれる民意を取り込んだシステムを取り入れるまでは、前田敦子をセンターに置くことでAKB48らしさを醸成しつつ、グループのイメージを固めてきた。

 2009年に「第1回選抜総選挙」が開催された際には、2位の大島に1000票以上もの差をつけて優勝。そこにはやっぱり前田がAKB48のセンターだよねというファンからの声が表れていた。しかし、2010年の「第2回選抜総選挙」では僅差で大島が優勝を果たすことになる。

 当時のAKB48はグループとしての規模も知名度も上昇中で、国民的アイドルグループとして認知されつつある段階だった。それを象徴するように赤坂BLITZからJCBホールと会場の規模も大きくなり、当日の様子が全国の映画館29か所計43スクリーンで同時中継されるという巨大なイベントへと成長。

 これによって、根っからのAKB48ファンだけではなく、一般層も投票券を求めるようになったことで、これまでのグループの歴史を知らない、ある意味でフラットな目線で候補者を見ることができるファンが多く流入するようになった。

 グループに変革を望む者とそうではない者がひしめき合うなかで、大島はファンの民意を反映し1位にランクイン。歴史的快挙とも言えるこの出来事は、一生懸命さ、人柄の良さといったファンが応援したくなるような大島の人間性に惹かれた一般層が多く参加したことでもたらしたものと言えるだろう。そして、それは総選挙の規模が大きくなったことと無関係ではない。

 初となる前田以外のセンターとなった大島。センター交代にネガティブな意見も飛び交うなか、17thシングル『ヘビーローテーション』では初動売上50万枚を突破し、前作『ポニーテールとシュシュ』から大きく売上を伸ばしたほか、レコチョク週間ランキングの5部門のウィークリーランキングで5冠を達成、2011年度、2012年度のオリコン年間カラオケチャートで2年連続1位という快挙を成し遂げることになる。

 このシングルによってAKB48の楽曲は全国にまで浸透し、国民的ソングとして長期間愛される楽曲になった。AKB48がこれまでにリリースしてきたシングルの売上という観点からは大きな印象を残していないが、その後のAKB48の国民的アイドルグループへの足がかりを作ったという意味でこのシングルは大きな意味を持っているはずだ。

 これまでのAKB48の楽曲とは異なり、『ヘビーローテーション』は口ずさみやすく、耳馴染みも良いポップソングとしての要素が詰め込まれていた。イントロ部分の「I want you!」のリフレインはおそらく誰もが聴いたことがあるし、メロディもすらすらと歌えることだろう。

 この楽曲は大島がセンターに抜擢される以前に書かれたものであるが、大島がセンターに立つことが決定し、秋元康は彼女の明るいイメージに合わせ「1、2、3、4!」というイントロ部分を新たに付け足している。このポップソングとしての魅力と大島のエンターテイナー力という部分が絶妙に呼応したことも、ヒットソングとなり得た大きな理由であろう。このように一般層への高い求心力を持った楽曲が生まれた背景には、大島がセンターに立ったことによって生まれたものだと言うことができる。

 第4回の総選挙で再び1位となり『ギンガムチェック』でセンターに選出されると、松井珠理奈とのWセンターで史上最高何度のダンスに挑んだ『UZA』、渡辺麻友板野友美島崎遥香の複数センターで話題のポップチューン『さよならクロール』と大島らしい前向きな卒業ソングでメロコア調の『前しか向かねえ』と単独・複数センターを幾度も経験。

 センターとして常に安定した高いパフォーマンスを発揮していた大島の姿は見ていて安心感があった。前田の卒業が2012年にありながら、その後のAKB48の勢いを殺すことなく、次世代へのバトンをつないでくれた大島の功績は計り知れないものがある。絶対的センターの不在が騒がれながらも、大島の明るく晴れやかなセンター像はAKB48に新たな色をもたらすことにもなった。

 AKB48の代表ソングのひとつ『ヘビーローテーション』を国民的ヒットソングへと仕立て上げ、国民的アイドルグループへの足がかりを作った大島優子。センターに選ばれた期間は決して長くはないが、彼女がグループに残してきたものはあまりにも大きかった。

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