カセットテープ専門店オーナー・角田太郎「テープの音の良さに、ビックリすると思いますよ」 (2/2ページ)
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インタビュー
「世界で誰もやっていないこと、自分にしかできないことってなんだろう?」と考えた答えが、カセットテープの店でした。僕は何万本ものミュージックテープを持っていましたし、そんな店は世界のどこにもない。店の構想を練れば練るほど、早く始めたくてしかたなくなりましたね。誰かが自分よりも先に始めたら、一生後悔するだろうなと思っていました。
僕がやりたかったのは、アートギャラリーのような空間を作って、カセットテープの存在価値を上げて販売すること。みんなが想像するカセットテープとは異なるイメージを作りたかった。そうすれば、絶対に注目されるという確信がありました。そしてオープン以来、おかげさまで老若男女、たくさんの方に来ていただいています。常連のお客さんの中には著名なミュージシャンの方もいらっしゃいますし、コロナ禍以前は海外からみえる方も多かったですね。
実は今、カセットテープに魅力を感じる若い人が増えています。月1000円払えば何千万曲が聴き放題になる時代に、わざわざラジカセを買って、カセットテープで音楽を聴いている。人生において音楽の優先順位が高い人こそ、アナログに回帰していますね。海外でも、メジャーなアーティストが、新譜をカセットテープでリリースするようになっています。ウチの店は、世界で最も多く、ミュージックテープを売っています。現在のカセットテープカルチャーを育ててきたという自負もあります。だから、少しでも長く、店を維持していきたいという気持ちが強いですね。
カセットテープが、音楽を聴くための選択肢の一つとして、ずっと残っていけばいいなと思っています。
角田太郎
1969年東京都出身。大学卒業後、音楽ソフト販売店勤務の後、アマゾン・ジャパンに入社。同社のCD、DVDの通信販売事業の立ち上げに関わる。2015年、カセットテープ・ラジカセ・レコードなどを販売するショップ『waltz』を開業。また、音楽のキュレイターとしても活躍し、飲食店やイベントのBGMの選曲なども手がけている。