戦国乱世から太平の世へ…新時代に適応した忍者・鳶沢甚内の転職エピソード (3/6ページ)
「畜生め、覚えておきやがれ……!」
その後、競合相手を次々と密告し、奉行所との癒着によって勢力を伸ばした向崎甚内は「盗賊稼業を始めるなら、まずは彼へのあいさつから」と言われたか否か、かつての大泥棒・石川五右衛門(いしかわ ごゑもん)を彷彿とさせたと言います。
天下の大泥棒・石川五右衛門。歌川豊国「石川五右衛門女房お瀧岩木当馬」
しかし、行政当局からすれば彼もまた取り締まるべき盗賊には違いありません。
また、全国各地で捕まった盗賊たちが(そう言えば赦される、少なくともハッタリが効くと思ったか)次々と「向崎甚内の身内だ」「手下だ」などと供述し始めました。
「このまま向崎のカリスマを看過すれば、いずれ手がつけられなくなってしまう」そう危惧した奉行所は、向崎甚内の捕縛に本腰を入れます。
それを手引きしたのが鳶沢甚内……ということで慶長18年(1613年)、向崎甚内は市中引き回しの上で磔(はりつけ)にされ、めでたく風魔小太郎の仇討ちを果たしたのでした。
盗賊から古着屋へ商売替え風魔小太郎が処刑され、向崎甚内を追い落とし……開業?から20数年、ついに盗賊業界のトップに上り詰めた鳶沢甚内でしたが、このままでは遠からず自分も同じ末路をたどるのは目に見えています。