戦国乱世から太平の世へ…新時代に適応した忍者・鳶沢甚内の転職エピソード (4/6ページ)
「こいつぁちょっと、考えにゃあならんな……」
そう言えば、かつて同じ北条氏に仕えていた忍びの庄司甚内(しょうじ じんない)が江戸一帯の遊女を掻き集めて遊女屋の経営を始めたと聞きました。
(※余談ながら、鳶沢甚内と向崎甚内、そしてこの庄司甚内の三人を「江戸の三甚内」と呼ぶそうです)
この庄司甚内は後に吉原遊郭を創設し、その惣名主として大成功を収めることになります。新たな時代の到来が予感される中、本格的に商売替えをしないと、ほどなく淘汰されてしまうでしょう。
「よし、ここは一つ古着屋をやろう!」
一念発起した鳶沢甚内は盗賊稼業から足を洗い、日本橋の近くで古着屋を開業しました。現代で言うリサイクルショップの走りですが、古着というのが商売のミソでした。
古着というのはたいてい二束三文ではありますが、入手しやすい(≒盗みやすい)ので、その日暮らしの泡銭(あぶくぜに)を手っ取り早く稼ぎたい者が盗みを働き、売りに来ることが多いのです。