戦国乱世から太平の世へ…新時代に適応した忍者・鳶沢甚内の転職エピソード (5/6ページ)
それが盗品か否か、盗品であれば本人が売りに来ているのか代理の人間が持ち込んでいるのか、売り手(買取希望者)の表情や身なり、仕草を観察していると、そういう情報を探り出すことが出来ます。
また、よほど盗みに慣れた者でなければ他人の邸宅に忍び込んでモノを盗み出すというのは大変な苦労ですから、それに見合った対価を得ようと(いかにこの古着が由緒ある高級品か、など)話に尾ひれをつけるもの。
人間、嘘をつくにしてもまったく一から空想をでっち上げるというのはなかなか才能がいるもので、嘘の中に散りばめられた真実=情報を拾い集め、丹念に織り上げていくのは元・忍者が得意とするところでした。
そういう諸々を総合して、売りに来たクロな者を「奉行所に密告するか」「まだ泳がせておいた方が得か」「優秀であれば召し抱えるorどこぞへ推薦するか」などを判断。
生活が苦しく、切羽詰まった人間の本性が垣間見える「盗み」の対象となりやすい古着を扱うことで江戸や各地の情報や人材を集め、時にはこれらをネタに奉行所と取引したとも言われます。
終わりにかくして鳶沢甚内の古着屋は大繁盛。