ストレスは遺伝する。マウスの父親は精子を介して子孫にストレス反応を伝えていることが判明 (3/4ページ)
そこで試しにストレスに弱いオスの精子を使い人工授精で妊娠させてみたところ、それでもやはりメスは同じように気を使うようになることが確認されたそうだ。
つまり精子自体にストレス反応を直接伝える機能があるということだ。
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・人間の気分障がいも親の経験に関係している可能性
ところで人間の気分障がいもまた、家族の既往歴や遺伝が関係していることが知られている。一方、ストレスのような外部環境から受ける刺激もまた親から子へと受け継がれ、気分障害の引き金になっているのかどうかは定かではない。
しかしカニンガム氏によれば、今回の結果は親の経験も関係していることを示唆しているのだという。
気分障害は非常に複雑な症状で、ある人にはよく効く治療が別の人にはまるで効かないといったこともよくある。
この病気を引き起こすさまざまな要因が解明されれば、より効果的な治療や予防法を考案できるかもしれないとのことだ。