戦国時代、首の代わりに耳や鼻を!?武士道バイブル『葉隠』が紹介する武士の嗜みとは (2/4ページ)
中性的な顔立ちの者であれば尚更でしょう)
そこで中には敵ではなく非力な女性を殺し、その首を持って手柄を水増ししようとする者もいたようで、そんな不正がまかり通ったら当局は商売上がったりです。
一方、真面目に戦っている者としても、せっかく死闘の末に奪ってきた首を疑われるのは面白くないので、ひと工夫を加えたのでした。
決め手はヒゲ一五○ 古老の侍、上髭さがり、そり候事は、陣中にて首を取り候印に、耳鼻をそぎ候節、男女の紛れこれなきため、髭さがりを加へ、そぎ候なり。その時、髭さがりこれなき首は女に紛れ候故、打ち捨て候。死後に首を捨てられざる様にとの嗜なり。
※『葉隠』十一巻より
【意訳】古老の武士が戦さで敵の首をとった証拠として、耳や鼻と一緒に髭さがり(垂れ下がった髭の生えた部分)を削いだのは、女の首と疑われないためである。
髭がついていないと女と見分けがつかない(手柄にカウントされない)ため、打ち捨てられてしまう。
(討たれるのは仕方ないとしても)首を粗末に扱われるのは忍びないので、日頃から髭を整えておいたのである。
【補足】原文を読むと、文法的に意味がつながっていなかったり、矛盾していたりするように見える部分がありますが、これは作者・山本常朝(やまもと じょうちょう)の口述を、聞いたまま書き写したことによるものですから、ニュアンスで把握してもらえればと思います。