子犬は生まれつき人間とコミュニケーションできる能力を持っている(米研究) (3/4ページ)
こうした複数の実験から、生後8週目の子犬は幼い子供を同じように生まれつきよく理解する能力があり、話しかける人に反応する一方で、人に助けを求めるのに必要な社会的スキルはまだ発達していないということが明らかになった。
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・今後の介助犬の訓練と犬の歴史の追跡に役立つ可能性
ブレイさんは、この研究結果を発表した時、このように述べている。
子犬の4割が遺伝的に人間とのコミュニケーション能力を持っているというのは、人間の知能の遺伝率の推定値とほぼ同じであり、非常に高い数値です。
子犬は、生まれながらにして人間の視線に反応し、人間から与えられた情報をうまく利用する能力を備えています。
今回の発見は、将来の介助犬の訓練の改善に役立つだけでなく、犬の進化と家畜化を追跡する上でも、有益な情報となる可能性があります。
つまり、人と対話する傾向がある動物は、犬の祖先として知られるオオカミから来ているからです。
オオカミから犬という家畜化の過程において、遺伝的に備わったこれらの社会的スキルが、犬には明確に現れているのです。
人間との経験が豊富になる前に、非常に若い年齢でその能力を示しているわけですから、犬が飼い主の意図をコミュニケーション内から読み取ることができれば、より調和のとれた関係を犬と人が築き上げることができるでしょう。