あの名将の首級はどこへ?武士道バイブル『葉隠』が伝える、極限状況で首級を隠す秘伝とは (1/3ページ)
戦国時代、名だたる敵の首級を上げることは大きな名誉でした。となれば当然、反対に首級を奪われることが大変な不名誉であったことは言うまでもありません。
もちろん、命を惜しんで見苦しい振る舞いに及ぶことはもっと不名誉ですが、なるべくならば首級は奪われたくないもの……そこで往時の武士たちは、どうにかして敵に首級を奪わせまいと知恵を絞りました。
今回は、そんな知恵が記された武士道バイブル『葉隠(はがくれ。葉隠聞書)』の一説を紹介したいと思います。
果たして彼らは、どのように首級を隠したのでしょうか。
どうせ隠し切れないならば……五七 顔面の皮の剥やう(はぎよう)の事。顔を竪横(たてよこ)に切裁(きりたち)、小便を仕懸(しかけ)、草鞋(わらじ)にてふみこくり候えば、はげ申候由(そうろうよし)、行寂和尚京都にて承り候との咄(はなし)也。秘蔵の事也。
※『葉隠』巻第十より
【意訳】
顔の皮膚のはぎ取り方について。