日本経済の必須スキル!渋沢栄一が明治時代に導入した簿記システムのエピソード (2/4ページ)
ある日、栄一がとある部下(出納局長。名前は伏せる)のミスを発見し、それを修正するよう指摘したところ、出納局長が総務局長室に押しかけてきます。
「どうしましたか?」
いたく自尊心を傷つけられてしまったようで、出納局長はミスを謝らないどころか、えらい剣幕で怒鳴り散らしました。
「そもそもあなたが西洋にかぶれ、何から何まで真似しようと簿記システムなんて導入するから、こういうミスが起こるのだ。言うなれば、今回のミスはあなたの責任に帰すると言っても過言ではない(大意)」
とんでもない逆ギレですが、ここで職位を嵩(かさ)に怒鳴りつけ、退けたところで事態は改善せず、むしろ「総務局長はやましいから怒鳴りつけたのだ。やはり簿記システムは間違っている」などと吹聴されかねません。
そこで栄一は丁寧に簿記システムを日本経済に採り入れることが、いかに事業経営の見える化・健全化を進め、経済発展に資するかを筋道立てて説明したと言います。
従来の会計システムは単式簿記(お小遣い帳をイメージして下さい)が主流となっており、ただ金銭などの出入りと残高を個別に記録するだけだったため、企業全体の財務状況を把握するのが困難でした。
それを複式簿記ではすべての取引を貸借&5要素に仕訳し、互いに関連づけた財務諸表にまとめることで企業財政の「見える化」を実現。詳しくは割愛しますが、実によく考えられたシステムとなっています。
しかし、その理論的な説明が怒りの火に油を注いでしまったのか、出納局長は朱墨を塗ったかの如く顔を燃やして激昂。ついには殴りかかって来たのです。
