東京オリンピック開会式で海老蔵が魅せた!歌舞伎「暫(しばらく)」の単純痛快な物語 (4/4ページ)

Japaaan

AIやドローンなど何かと先進的な演出が多かった印象ですが、せっかく世界に日本をアピールするのであれば、10年20年後にはどうなっているかもわからない流行りものより、歌舞伎のみならず伝統的な文化・芸能を強調した方が、外国の方にも喜ばれたように感じます。

日本人は何かと自分たちの伝統文化を諸外国に比べて遅れたものと否定し、より新しく「進んだ外国の文化」に倣い、趣向を凝らした方が喜ばれると思い込む傾向が見られるものの、決してそんなことはありません。

伝統芸能には、世に流されない魅力がある。豊原国周「暫」

「ちょっと待て。自分たちの持っているよいものをきちんと見直し、誇りを持て」

ただ独り屹立する権五郎の姿は、人々が忘れかけている日本の精神や美学を全身で訴えていたように感じられます。

※参考文献:
河竹繁俊・児玉竜一『歌舞伎十八番集』講談社学術文庫、2019年9月12日
十二代目 市川團十郎『新版 歌舞伎十八番』世界文化社、2013年9月14日

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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