脳とコンピューターをつなぐ技術で本物のサイボーグが誕生する近未来。脳が覗き見され、格差が広まると研究者が警鐘を鳴らす

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脳とコンピューターをつなぐ技術で本物のサイボーグが誕生する近未来。脳が覗き見され、格差が広まると研究者が警鐘を鳴らす
脳とコンピューターをつなぐ技術で本物のサイボーグが誕生する近未来。脳が覗き見され、格差が広まると研究者が警鐘を鳴らす
ブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)でサイボーグが登場する未来。
 人間がコンピューターと融合し、生身の体をはるかに凌駕する能力を手に入れる。電脳化、いわゆるサイボーグの登場は、そう遠くない未来に実現すると予測されている。

 人間の脳とコンピューターを接続・統合する技術「ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)」が目覚しい進歩を遂げているからだ。

 これは人間の定義すら書き換える可能性がある圧倒的で革新的なテクノロジーだ。それがもたらす恩恵は計り知れないだろう。だが、社会に多大なインパクトを与える新しい技術は、良いことだけをもたらすわけではない。

 『APL Bioengineering』(7月20日付)では、インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)の研究グループが、BCIでサイボーグが誕生した未来に起こるであろう問題を指摘している。


・脳波を利用したBCIの利点
 人間とコンピューターをつなぐ技術としてもっとも有望視されるのは、脳波(EEG)を利用したブレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)である「eBCI」だ。

 頭皮にあてた電極で脳の活動を読み取るこのやり方なら、外科的な手術を行うことなく、思考をコンピューターに入力し、外部の装置を操作できるようになる。

 そのユーザー体験がどのようなものなのか、現時点ではわからないことが多い。しかしその恩恵を受ける人たちは確実にいる。

 たとえば事故で体が不自由になってしまったとしても、BCIを介して義手や義足を操作することで、自由を取り戻せる。口がきけない人ならば、再び会話できるようになる。

 あるいはスーパーヒーローのように念じるだけで炎を噴射できるようにもなるかもしれない。

 だが、その体験は強力で、研究グループのライリー・グリーン氏によると、中にはこうした実験終了後に取り外しを拒否する人もいるのだという。
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eBCIの動作に必要なステップを現した回路図。EEGセンサーが脳からの電気信号を取得し、それを処理して外部機器を制御する / image credit:Portillo-Lara et al.・BCIによってもたらされる懸念
企業に脳波データを覗き見されてしまう危険
 その一方で懸念すべきこともある。研究でまず指摘されているのは、BCIを開発した企業が、利用者の脳波データを利用できてしまうことだ。

 そうしたデータは個人のもっともプライベートな情報だ。それがあれば利用者の心の中身を覗き見し、好みや志向といったものも手にとるようにわかる。企業にとっては喉から手が出るほど欲しい情報だろう。

社会的格差の拡大
 さらに社会的格差の拡大にも言及されている。

 たとえばBCIが人間の認知能力を補強するようなものだった場合、それを利用できる人とできない人とでは、学校や仕事で大きな差がつくことだろう。
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photo by Pixabay

・電脳化未来はすぐそこに!早い段階で協議が必要
 ではこの革新的な技術に対して社会はどのように対応するべきだろうか?

 インターネットやスマホなど、本来ニッチをターゲットとしていたものが、世界的な規模にまで成長した革新的技術の事例は、比較的最近でもある。

 しかしグリーン氏によれば、人間の心をテクノロジーに融合するという試みは、人間の定義すら変えてしまう可能性がある前代未聞の技術革新だ。

 この難しい問題を取り扱うために、早い段階から政府・企業・科学者・消費者たちの対話や協力を進めていくよう彼女たちは訴えている。

References:Mind the gap: State-of-the-art technologies and applications for EEG-based brain–computer interfaces: APL Bioengineering: Vol 5, No 3 / Scientists Warn of “Bleak Cyborg Future” From Brain-Computer Interfaces / written by hiroching / edited by parumo
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