自衛隊「スパイハンター」が中国に「籠絡」された(3)突然の雨に傘を差し出して (2/2ページ)
今回の情報保全隊隊員への疑惑は、それ以来の情報部門への工作事案と言える。まして、対象となったのは、プロの「スパイハンター」だというから、その衝撃は計り知れない。
もっとも、中国側の工作の詳細を確認する中、ターゲットとされている隊員がすでに退職していることが判明した。ならば、大事には至らないのではないか─と断じかけたが、そうではないようだ。前出・公安関係者は、こう付言したのである。
「退職したとはいえ、情報保全隊にかかわる情報には通じている。もちろん知識や資料もあるだろう。しかも、現役の上司や同僚もいる。もう辞めているからと軽んじていたら、とんでもないことになりかねない」
その昔、「スパイに引退はない」と言った人物もいたというが、防諜の観点からすると、「スパイは引退させない」と言うべきなのかもしれない。
現在も退職した隊員および周辺への公安当局による捜査は継続しているという。
時任兼作(ジャーナリスト)
*「週刊アサヒ芸能」9月16日号より
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