「出世より妻が大事!」武田信玄に物申した戦国武将・小幡上総助の妻に対する愛 (2/4ページ)
そんな上総助の正室は上杉家の家臣・長野信濃守業正(ながの しなののかみなりまさ)の娘だったのですが、信玄公によって長野氏が滅ぼされると、家老たちがやって来て言いました。
「上総助よ、そなたの武功は御屋形様も高くご評価されているが、仇敵たる長野の娘と縁づいておっては、今後の栄達に差し障る……そこで相談じゃが、御内儀を離縁し、新たに武田譜代の娘を娶るのはいかがか」
確かに、我が身の出世を考えるのであれば、ケチのついた妻を捨てて、せっかくの縁談に乗り換えた方が得でしょう。
しかし、上総助は違いました。
「武門に生まれ生きる以上、いつもよい時ばかりとは参らぬ。父親が敵であったからと言って、何の罪もない妻を捨てて路頭に迷わせるようでは、武士として一分が立たぬ。武士は不義を恥とする者なれば、たとい主君の命令としてもお受けしかねる。もしこの上総助が、舅の怨みを抱えているとお疑いならば、今この場にて腹を切っても構わぬ(意訳)」
【原文】
「侍のちなみは、よき時ばかりにてなし。この場に及んで科なき妻を去り、路頭に立たせ候ては、上総助が一分立たず。