人柱など必要ない!少女の命を救った戦国武将・毛利元就の教え「百万一心」とは (3/4ページ)

Japaaan

それを聞いた娘も

「かつてお屋形様に助けていただいたご恩を少しでも返すのは今この時をおいてございませぬ。どうか私を人柱に……」

などと殊勝なことを申し出たところ、元就は奉行と娘を叱り飛ばします。

人柱を買って出た娘だったが……(イメージ)

「黙れ!人柱など必要ない!もし我が許可なしに人柱など立ててみろ、その方の首が飛ぶと思え!」

と、大層な剣幕で部屋を出ていった元就は、やがて何やら書かれた紙を手に戻って来ました。

「……見よ」

「「……百万一心、にございますか」」

「いかにも。百万の皆が心を一つにすれば、人柱など立てずとも地の神は鎮まろうぞ」

大書された文字をよく見ると、百は「一」と「日」、万は「一」と「力」に分かれ、そして一心となっています。

これは「日を一つ(同じ)に、力を一つに、心を一つに」する意味を持ち、みんなが一斉同時に力と心を合わせれば、成し得ぬことなどありはせぬという元就の決意が表れていました。

「どうしても何か埋めたいのであれば、その文字を石に刻んで埋めればよい」

「ははあ……」

果たして百万一心の石碑を埋めたところ、石垣普請は成功し、以来崩れることはなくなったそうです。

終わりに

「……それで郡山城のあの一角が『姫の丸』と呼ばれるようになったのじゃ」

「そうだったんですね」

人を守るための城を築くのに、人の命を捨てては本末転倒。

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