ありがたや!部下にとっておきの煙草を惜しみなく分け与えた西郷どんのエピソード (3/5ページ)
たまにギャグ漫画などで(ごくまれにリアルでも)見かける風景ですが、本気でそこまでして吸いたいものなんですね。
「ゲホゲホ、やっぱりこんなのじゃダメだぁ……」
「やっぱり本物の煙草が吸いてぇ。西郷先生なら、まだ貯えがあるんじゃなかろうか?」
と言う訳でさっそく根占潔は西郷の元を訪ねます。
「西郷先生。煙草の無かことなりもしたから、少しお分け下さらぬか」
気前のよい西郷のことだから、きっとある中からいくらかでも分けてはくれるだろう……そう期待してお願いしてみたところ、西郷はいつもの調子で答えました。
「さうや、そいなら、善か品(と)を呈(あ)げんなら(意:そうか。それならよいものをあげよう)」
そう言って西郷は上等な刻み煙草の袋を取り出して封を切り、その大部分を鷲づかみにして惜しげもなく分けてくれました。
「こんな上等なものを、しかもこんなに沢山いいんですか?」
![](https://image.dailynewsonline.jp/media/c/8/c8e7e64a8b44d3baf0a32283c47f62a6933b20b7_w=666_hs=ffebfe05f74723d4efa1f456a3626c09.png)
「それで最後じゃから、みんなで分けろ」
くれるにしても、普段吸っている安い煙草をちょっと(何なら恩着せがましく)分けてくれる程度かと思っていたのに、それまでとっておきにしておいた上等の煙草を、みんなのために惜しげもなく分けてくれるとは……。
そんな西郷の姿に感動した根占潔は、これをおし戴いて陣地に戻り、みんなに分けます。