恋に臆病になっている女性へ。読書の秋に読みたい「純愛小説」3選 (4/5ページ)
妻の仕事や病気、面倒ごとも、丸ごと愛し抜くひたむきな夫の愛と、絶筆する瞬間まで夫のために小説を書き続けた妻の愛。愛情表現の仕方は違っても、この夫婦の核には、最後まで「純愛」があります。結婚ってやっぱり尊いものだなぁ、と思わせてくれます。
続いてSide:Bは、2人の出会いから結婚に至るまでの関係性はSide:Aと同じですが、夫のすい臓に腫瘍が見つかり、妻が夫の余命がわずかだと知るという、2人の立場がSide:A とは逆の境遇になっています。
もし俺が死んだら、書いてくれよ。俺が死んだことを君がどう書くか知りたい。(P.261)
辛い現実を逆夢にしようと、妻は必死に小説を書きます。
伴侶としても、作家と読者としても、お互いがなくてはならないソウルメイトの2人。どちらかが先に死ぬことがあっても、これほどまでに愛されたら本望でしょう。
Side:AとSide:B 、2つの異なる結末の「純愛」に、ぜひ浸ってみてください。
◇『私という運命について』白石一文(KADOKAWA/角川文庫)
キャリア、恋愛と結婚、出産、愛する人の死など、女性には人生の分岐点が幾度となく訪れます。そのたびに、私たちは何かを選び、何かを捨てながら「運命」を切り開いてきたのではないでしょうか。
3冊目は、女性の運命ともいえる節目の10年を描き切った壮大な「純愛小説」をご紹介します。
大手メーカーで総合職として勤務していた冬木亜紀は、佐藤康という恋人がいました。2年の交際を経て、康は彼女にプロポーズをします。
「あなたのことは好きだったけど、でも、結婚するほど好きではなかった、と気づいたの」(P.19)
亜紀は康と結婚する人生を選ばず、別々の道を歩み、仕事に邁進していきます。
そして、2年後に康から結婚式の招待状が届いた時、亜紀は自分の選択が間違っていなかったかと、今さらながら自問自答します。
選んだ人生と、選ばなかった人生。